ア一リ一です。
1/8カルマスター模型の制作日記の第二話です。
前回までの本筋↓
今回、生贄となった1/8のジャズマスターくんは、今から10年以上前に発売された「Fender Guitar Collection」という食玩シリーズの第3弾にラインナップされていたものです。
このシリーズは、基本的に全10種ほどのランダム封入、いわゆるブラインド商品でした。
発売から10年以上経ってもなお、フリマアプリで取引されています。
中には未開封のものも出品されており、価格は一箱あたり1000円〜2000円ほど。
当時の定価は約500円だったそうです。
多少プレミアがついていようが関係ありません。
「カルマの花環」を口ずさみながらナイフを入れて部品を取り外します。
\コンニチハ/
ボディに付いているパーツは、ピックガードとブリッジだけ。そしてセットネックです(ギタリストジョーク)
ヘッドの裏にはクルーソンタイプのペグがひとつのパーツでまとまっています。
弦は一本の長いナイロン糸を、ヘッドとブリッジの間を往復させて固定してあります。
小さいだけあってシンプルな構造ですが、細かなディテールはしっかりしています。
私のような人間の手に渡っていなければ、今頃ショーケースに綺麗に飾られていたことでしょう。
ここで実物のカルマスターと比較してみましょう。
これはESP御茶ノ水店で展示してあった、本人使用機です。(写真撮影可)
カルマスターは非常にシンプルな構造で、必要最低限のパーツしか存在しません。
ピックアップ×2、ブリッジ、ボリュームノブ、セレクター、ジャック。
これらが黒い板に、一直線上に並んでいます。
これなら、シンプルな黒い板とパーツたちを作ってしまえば組み立ては簡単です。
ボディである黒い板は、パーツが乗る部分だけ他よりも厚くなっています。
実物の製造工程では、厚さ17mmの板の中央に板を追加で裏と表に接着し、ザグリを入れてパーツを組むようです。
「軽いギター」がコンセプトなので、限界までボディを薄くしたようですが、パーツを乗せるためには最低限の厚みが必要なので、中央部分に板が足されるわけです。
模型を作るにあたってジャズマスターのボディはすでにあるので、厚い部分と薄い部分を分けて削っていけば形を作れそうです。
プランとしては、ジャズマスターのシルエットの板を作り、ヤスリで削って薄いエリアを作っていくことにします。
まずやることは、ボディのザグリを埋め、ジャズマスター型の板にすることです。
素材はプラスチックなので、パテを使って埋めていきます。
手元にあったタミヤパテをドバッと
この時の私は、パテ埋めに関するノウハウがあまり無かったため、動き出してからこれが悪手であることに気付きます。
パテには大きく2種類ありまして、溶剤が蒸発して固まるタイプと、物質の反応によって固まるタイプです。
いま私が使ったのは「溶剤が蒸発するタイプ」です。
「溶剤(シンナー)が蒸発するタイプ」は、練りわさびのように好きなだけ出して、くっ付けて、放置すれば固まるので扱いやすいです。ボンドのようなものです。
(タミヤパテ ベーシックタイプ)
しかし溶剤が蒸発することで、体積が減り、固まる頃には半分ほどになってしまいます。(俗にヒケと呼ばれます。)
加えて、接着を良くするためにシンナーが土台のプラスチックを溶かします。溶けた部分はシンナーがちゃんと蒸発するまでは固まりません。すなわち風通しのいい部位に使うべきものです。
以上のことから、このタイプは「厚盛り」と「閉鎖空間」には不向きであることが分かります。表面にちょっとした肉付けするには適しています。
今回の場合、もう一方の「物質の反応によって固まるタイプ」のパテを使うべきでした。
(タミヤ エポキシパテ)
細かい説明は割愛しますが、こちらは体積変化が少なく、土台のプラスチックを溶かしません(多少は溶かすかもしれませんが)
しかも揮発性はそれほど重要ではない(と思う)ため、まさに巨大な穴埋めにはもってこいです。
それに遅れて気づいたため、ひとまず揮発タイプのパテを掘り起こして、反応タイプを敷き詰めます。
(灰色が揮発タイプ、黄色が反応タイプです)
パテの話しで遠回りしてしまいましたが、なんとか穴埋めをすることができました。
このまま数時間〜数日置き硬化を待ちます。そしてヤスリで削っていくのです。
数日置き、やすりがけを始めた写真がこちら。
中央ブロックを残すため、マスキングテープで境目の目印をつけています。
よくみると、灰色と薄黄色のダブルの層になっているのがわかると思います。
細かい隙間があいてしまっていますね。しかしこの程度、大したことではありません。穴は埋められます。
同じ要領で裏側も削っていきます。
なんとなくそれっぽいスジが出てきたらネックを当ててみます。
ええやんええやん。
初動からここまで4日。
続く。