1/8 カルマスター制作記(その2)

ア一リ一です。

 

 

1/8カルマスター模型の制作日記の第二話です。

 

前回までの本筋↓

 

early-m92f.hateblo.jp

 

 

今回、生贄となった1/8のジャズマスターくんは、今から10年以上前に発売された「Fender Guitar Collection」という食玩シリーズの第3弾にラインナップされていたものです。

 

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このシリーズは、基本的に全10種ほどのランダム封入、いわゆるブラインド商品でした。

 

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発売から10年以上経ってもなお、フリマアプリで取引されています。

 

中には未開封のものも出品されており、価格は一箱あたり1000円〜2000円ほど。

 

当時の定価は約500円だったそうです。

 

多少プレミアがついていようが関係ありません。

 

「カルマの花環」を口ずさみながらナイフを入れて部品を取り外します。

 

 

\コンニチハ/

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ボディに付いているパーツは、ピックガードとブリッジだけ。そしてセットネックです(ギタリストジョーク)

 

ヘッドの裏にはクルーソンタイプのペグがひとつのパーツでまとまっています。

 

弦は一本の長いナイロン糸を、ヘッドとブリッジの間を往復させて固定してあります。

 

小さいだけあってシンプルな構造ですが、細かなディテールはしっかりしています。

 

私のような人間の手に渡っていなければ、今頃ショーケースに綺麗に飾られていたことでしょう。

 

 

ここで実物のカルマスターと比較してみましょう。

 

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これはESP御茶ノ水店で展示してあった、本人使用機です。(写真撮影可)

 

カルマスターは非常にシンプルな構造で、必要最低限のパーツしか存在しません。

 

ピックアップ×2、ブリッジ、ボリュームノブ、セレクター、ジャック。

 

これらが黒い板に、一直線上に並んでいます。

 

これなら、シンプルな黒い板とパーツたちを作ってしまえば組み立ては簡単です。

 

ボディである黒い板は、パーツが乗る部分だけ他よりも厚くなっています。

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実物の製造工程では、厚さ17mmの板の中央に板を追加で裏と表に接着し、ザグリを入れてパーツを組むようです。

 

「軽いギター」がコンセプトなので、限界までボディを薄くしたようですが、パーツを乗せるためには最低限の厚みが必要なので、中央部分に板が足されるわけです。

 

 

模型を作るにあたってジャズマスターのボディはすでにあるので、厚い部分と薄い部分を分けて削っていけば形を作れそうです。

 

プランとしては、ジャズマスターのシルエットの板を作り、ヤスリで削って薄いエリアを作っていくことにします。

 

まずやることは、ボディのザグリを埋め、ジャズマスター型の板にすることです。

 

素材はプラスチックなので、パテを使って埋めていきます。

 

手元にあったタミヤパテをドバッと

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この時の私は、パテ埋めに関するノウハウがあまり無かったため、動き出してからこれが悪手であることに気付きます。

 

パテには大きく2種類ありまして、溶剤が蒸発して固まるタイプと、物質の反応によって固まるタイプです。

 

いま私が使ったのは「溶剤が蒸発するタイプ」です。

 

「溶剤(シンナー)が蒸発するタイプ」は、練りわさびのように好きなだけ出して、くっ付けて、放置すれば固まるので扱いやすいです。ボンドのようなものです。

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タミヤパテ ベーシックタイプ)

 

 

しかし溶剤が蒸発することで、体積が減り、固まる頃には半分ほどになってしまいます。(俗にヒケと呼ばれます。)

 

加えて、接着を良くするためにシンナーが土台のプラスチックを溶かします。溶けた部分はシンナーがちゃんと蒸発するまでは固まりません。すなわち風通しのいい部位に使うべきものです。

 

以上のことから、このタイプは「厚盛り」と「閉鎖空間」には不向きであることが分かります。表面にちょっとした肉付けするには適しています。

 

 

今回の場合、もう一方の「物質の反応によって固まるタイプ」のパテを使うべきでした。

 

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タミヤ エポキシパテ)

 

 

細かい説明は割愛しますが、こちらは体積変化が少なく、土台のプラスチックを溶かしません(多少は溶かすかもしれませんが)

 

しかも揮発性はそれほど重要ではない(と思う)ため、まさに巨大な穴埋めにはもってこいです。

 

それに遅れて気づいたため、ひとまず揮発タイプのパテを掘り起こして、反応タイプを敷き詰めます。


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(灰色が揮発タイプ、黄色が反応タイプです)

 

 

 

パテの話しで遠回りしてしまいましたが、なんとか穴埋めをすることができました。

 

このまま数時間〜数日置き硬化を待ちます。そしてヤスリで削っていくのです。

 

 

 

 

 

数日置き、やすりがけを始めた写真がこちら。

 

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中央ブロックを残すため、マスキングテープで境目の目印をつけています。

 

よくみると、灰色と薄黄色のダブルの層になっているのがわかると思います。

 

細かい隙間があいてしまっていますね。しかしこの程度、大したことではありません。穴は埋められます。

 

 

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同じ要領で裏側も削っていきます。

 

なんとなくそれっぽいスジが出てきたらネックを当ててみます。

 

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ええやんええやん。

 

 

初動からここまで4日。

 

続く。