ア一リ一です。
9mm Parabellum BulletのCHAOSMOLOGYツアーに行ってきました。
初演のZepp Haneda、そしてZepp Nagoyaです。
今回のツアーは、アルバム「BABEL」「Gjallarhorn」「Phantomime」の再現ライブでした。
「BABEL」の再現ライブである第一幕
「Gjallarhorn」「Phantomime」の再現ライブである第二幕
の二部構成で行われ
第一幕では、サポートギターの爲川さん武田さんを交えての6人編成でした。
ツアーのコンセプトが発表されたLINE LIVEで滝さんは「BABEL」について
「ライブでの演奏を考慮していないアルバム」
と語っていました。
このアルバム恐ろしさ、演奏の難しさはこの言葉を聞いただけでも伝わってきます。
実際、このアルバムがリリースされた頃のツアーでは滝さんがライブ活動を控えていたということもあり、一部音源を流して演奏が行われていました。
ライブ演奏を前提としないこの巨大な塔を、戦友を巻き込み6人がかりで制覇しようというわけです。
初演、会場に入りステージを見るといつもと違った光景が目に入りました。
ステージの幕が閉じているのです。
「BABEL」リリースツアーのライブ映像でも同じ光景を見たことがあります。
開演のブザーととも幕が開き、オープニングのSEが流れます。
このSEはこの公演のために収録されたもののようで、オープニングでありながらエンディングのような寂しさをもった雰囲気の曲でした。
「BABEL」の再現ライブの始まりは、すなわちリリース当時の因縁に決着をつけることを意味する。
そんなメッセージが込められているかのようでした。
ステージには、横一直線に並んだ9mmの4人と、その後ろに控えるサポートの2人の姿が。
人数の圧と、普段はありえないステージ配置。
これらがSEの雰囲気とあいまって、このライブは只事ではないと本能的に感じました。
そして、最近は白い服を着ているイメージの強かった菅原卓郎が、全身黒ずくめです。
完全にやってます。
彼らの後ろには、このツアーのタイトルが書かれた巨大なアートワークが掲げられていました。
ライブが始まると演者一同、とんでもない集中力で「BABEL」の曲たちを次々とこなしていきます。
このバンドにとって「BABEL」の再現ライブとは、ライブ以上の意味を持ちます。
滝さんをはじめ、メンバーが皆いつもと変わらないレベルのパフォーマンスでこのアルバムを完成させていく姿は、まるでひとつの演劇を見ているかのようでした。
第一幕が終わって幕が閉じ、休憩をはさみます。
次は「Gjallarhorn」「Phantomime」のターンです。
私の周りにはコアな9mmファンがたくさんいます。
このライブでインディーズ盤が演奏されることが発表されたとき、周囲のファンのみなさんは口々にこう言いました
「やっと○○(曲名)が聞ける!」
おもしろいのが、この〇〇(曲名)が見事にバラバラなのです。
誰しもが「好きなインディーズ盤の曲がなかなか聞けない」という悩みを抱えているのだなと思うのと同時に
インディーズにして、未だにこれだけ愛される曲を大量に作っていたこのバンドの凄さを感じました。
ちなみに私の〇〇は「marvelous」です。
あなたの〇〇はなんですか?
休憩が終わるアナウンスが流れ、客席に緊張が走ります。
照明が突然消え、流れてきたのはいつものアレ「digital hardcore」
一度閉じられた幕が再び開いていきます。
ステージ横のライトが点滅しながら照らすのは、せりあがってくる9mm Parabellum Bulletのバックドロップ。
配置はかみじょうちひろを殿に、上手から滝善光、菅原卓郎、中村和彦。
これから、9mmのライブが始まる。
言葉以上に、目の前の景色が語りかけてきます。
「9mm Parabellum Bulletです!!」と叫ぶ卓郎は、さっきまで職人技で難攻不落のアルバムをひとつ完成させたとは思えないほど「いつもどおり」でした。
そしてはじまるインディーズ盤の再現ライブ。
私の目の前に現れたのは、ステージを縦横無尽に駆け回る滝さん。
それもここ最近とは一線を画した、狂気のような暴れっぷり。
演奏を放棄して床に転げ回る姿は、まさに体の不調でライブ活動を控える前の滝さんでした。
その光景を見た人たちはライブ後、口を揃えてこう言いました。
「滝さんが復活した」
「”あの頃”の9mmだ」
まさにインディーズ盤の熱量まで全身で再現するかのようなパフォーマンスに、決定的瞬間に居合わせたような感覚になりました。
かつてのように暴れまわる滝さんがまた見られる。
こんなに嬉しいことはありません。
綿密に構築された第一幕とは打って変わって、身一つで破壊の限りをつくすかのような第二幕。
「アルバムを再現する」ことの本当の意味を目の当たりにしたような気がします。
今回のライブで演奏されたインディーズ盤「Gjallarhorn」とは北欧神話では「世界の終わり、ラグナロクの到来を告げる角笛」のことだそうです。
世界の終わりのような9mmの熱量が完全な姿になりつつある今、「Gjallarhorn」と名付けられたアルバムがツアーの先々で演奏されることに、何かしらの意味を感じずにはいられません。
ツアーは残るところ2公演。
無事に完走してくれることを願ってやみません。
余談ですが、名古屋公演に合わせてALLAROUNDさんが、滝さんの持っているモデルと全く同じシャツを数量限定で発売しました。
開店前から待って、無事購入することができました。
大事に着ます。
最後に、現地でお会いした皆さんありがとうございました。
生き延びて、またどこか出会いましょう。
ア一リ一でした。