アーリーです。
前回の記事からかなり時間が空いてしまいました。
カルマスター製作記の第4回です。
↓↓↓↓↓前回までの本筋↓↓↓↓↓
今回はピックアップ、ブリッジ、ジャックを作っていきます。
まずはピックアップから。
ピックアップとは弦の振動を拾うマイクにあたる部品です。
コイルを弦の真下に置き、金属製の弦の震えを電磁誘導の原理で信号を生み出します。
上の写真はKARMASTERに実際に載っているもので、クリーム色と黒のボビンが特徴的です。
前回の最後に少しだけお見せしたものは、ピックアップの部品でした。
こういった薄い部品はプラ板を切出して作るのが普通ですが、ここまで細かいものを複数作るとなると骨が折れます。
そこであるアイテムを使います。
プラストラクトという会社が出しているプラスチック素材です。
断面に様々なバリエーションがあるプラ棒といえばイメージしやすいと思います。
こちらはよく建築模型に使われるもののようです。
私が使ったのはMS-308という型番の、幅2.0mm 0.8mmの細長いプラバンのようなものです。
細長く切ってあるプラバンといえばそれだけですが、一定の幅で切る作業を回避できるというだけで有り難い事この上ありません。
近所の店で見かけて便利そうだったので買ってみましたが、思わぬところで役に立ちました。
この材料を同じ長さに切り、角を丸めればあっという間にピックアップのボビンのシルエットが現れてきました。
ここでもう一度本物のピックアップを見てみましょう。
ポールピース(ピックアップ磁石部の銀色の丸)の再現をどうするか考えます。
一度、穴を開けてそれらしく見えないか試してみましたがダメでした。
次に、WAVE社のR・リベット【丸】(写真右)を試してみます。
直径1.0、1.2、1.6、2.0mmの4種類ある半球上のパーツがあるので
最も小さい1.0mmを切り取ってシルバーに塗装し、先程のボビンに乗せてあげます。
一円玉と比べるとその細かさがわかると思います。
エスカッションも塗装して一体化してしまえばご覧の通り、ピックアップの完成です。
次はブリッジです。
もちろん弦を張る予定なので、それが可能な構造にしなければいけません。
今回生贄に選ばれたジャズマスターくんでは、1本の長いナイロン糸がヘッドとブリッジを3往復する構造で弦が張られていました。
どうせなら同じやり方で弦を張ってしまいましょう。
そして部品も流用してしまいましょう。
ということで、ジャズマスターくんのトレモロ部とサドルを融合させ、プラ板で周囲を囲めばブリッジの完成です。
色を塗ればグラフテックを載せたESPのカスタムラボフィックスドブリッジです。
最後に、シールドを刺すジャックを作ります。
これはパーツ流用などは特になく、一から全て作ります。
プラ板にパテを盛り、板の面から地面を掘るように削っていきます。
ジャック穴は、ピックアップで登場した丸リベットにくぼみを掘って再現しています。
ボディもくり抜いて、収めてみます。
いい感じです。
最後に、今回作ったパーツをすべてボディに置いてみます。
一気にそれらしくなってきました。
ノブはジャズマスターの部品を少し加工したもの
さて、これで作るべきパーツはすべて揃った
かのように思われますが、まだ終わりません。
冒頭でも話した通り、このKARMASTERにはナイロン弦を張ります。
弦が何かの拍子に切れたら・・・
ギターである限り、弦は張り替えられる構造でなくてはなりません。
弦は長い1本のナイロン糸をヘッド~ブリッジ間を3往復させますが
ブリッジを完全接着してしまうと、弦をブリッジの中でUターンさせなければ弦は張れません。
幅1cmほどの部品で、そんな作業は外科医でもなければ不可能です。
※イメージ
というわけで、ブリッジは接着せずに着脱可能な構造にしようと思います。
今回はここまでです。
ア-リーでした。